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注意欠如・多動性障害(ADHD)

注意欠如・多動性障害(ADHD)の原因と治療に使用される薬・サプリの種類について解説しています。

注意欠如・多動性障害(ADHD)とは

注意欠如・多動性障害とは、不注意・多動性・衝動性という3つの要素が見られる先天性の脳機能障害。Attention-Deficit/Hyperactivity Disorderの頭文字を取って、ADHDとも呼ばれます。女子よりも男子に多く、その比率は1:3~5。1歳前後から多動・不注意などの症状に気づくこともありますが、成長や年齢によって症状が変わるため気づきにくいこともあるようです。

不注意

集中力がない・気が散りやすい・ケアレスミスが多い・忘れ物や落し物が目立つ・話を聞いていないように見える・片付けが苦手、などの症状が見られます。また、興味のあるものに対しては集中しすぎてしまい、周りが見えなくなったり切り替えが難しいなどの特徴もあります。

多動性

落ち着きがない・じっとしていられない・身体の一部をモジモジと動かす・貧乏ゆすり・周囲をキョロキョロ見渡す・過度なおしゃべり、といった症状が見られます。学校などでは授業中であるにも関わらず、教室内をウロウロと歩き回ったり外へ飛び出してしまうこともあるようです。

衝動性

順番を待つのが難しい・考える前に行動してしまう・人の行動や話を遮る・ガマンができない・ルールを守れない、などの症状が見られます。衝動的に行動してしまうため、物を破壊したり人を叩くなどの危険行動に及ぶこともあります。

混合群

不注意と他動性・衝動性両方の登頂を併せ持つのが混合群。それぞれの症状の現れ方には個人差があります。

原因

注意欠如・多動性障害(ADHD)は、先天性の脳機能障害とされています。画像研究からは、ADHDの脳は前頭前部(ぜんとうぜんぶ)・小脳虫部(しょうのうちゅうぶ)・尾状核(びじょうかく)・淡蒼球(たんそうきゅう)といった部分が健常児と比較して小さいことが認められています。

また、脳内の神経伝達物質の関与も示唆されています。データによると、ADHDの方は神経伝達物質であるドーパミン・ノルアドレナリンの働きが不足気味。情報の伝達がスムーズに行われず、不注意・多動・衝動性などの症状が現れるのではないかと考えられているのです。

先にも述べましたが、注意欠如・多動性障害(ADHD)は先天性のものです。親のしつけや育て方、子ども本人のヤル気や意欲が原因となっているものではありません。

ADHDの自己診断チェックリスト

子どもがADHDかもしれないと思ったときに役立つ、自己診断チェックリストをご紹介します。気になる症状を確認し、診断の参考にしてください。

  1. じっとしていられず、落ち着きがない
  2. 急に走り回ったり高いところに上がったりする
  3. 人の話を集中して聞けない
  4. 人の話を遮って話す、質問が終わらないうちに答える
  5. いったん始めたことを最後までやりきれない
  6. 順番を待つのが難しい、割り込んでしまう
  7. 遊んでいるときによくケガをする
  8. 無思慮に行動することがよくある
  9. TPOを考えずにしゃべり続けてしまう、過度にしゃべる
  10. 集団行動が苦手、あまり友達付き合いがない
  11. 友達のジャマをしたりちょっかいを出したがる
  12. 物事を順序立てて計画的に行動できない
  13. 大切な予定や約束を忘れてしまうことがある
  14. 静かに行動できず、注意されることが多い
  15. 些細なことで感情的になる、癇癪を起しやすい
  16. 人に命令ばかりをする
  17. 話しかけているのに、聞いているように見えないことがある
  18. 集中力を要する課題などを避ける傾向がある、またはイヤイヤ行う
  19. 特定のものに関しては強い興味やこだわりを示す
  20. 理解できる指示を出されてもなかなか従わない

あてはある項目が1~7個の場合、ADHDである可能性は低いと思われます。8個以上当てはまる場合は、ADHDの可能性が考えられます。ただし、これは簡易的なチェック表なので、当てはまる項目が多いからといって悲観する必要はありません。落ち着いて、できるだけ早く専門医で相談・検査を受けるようにしましょう。

ADHDの子どもとの接し方

チェック表を見ても分かるように、注意欠如・多動性障害(ADHD)の子どもは独特の行動が目立ちます。保護者としては「どのように接したらいいのか分からない」「つい怒ってしまう」「もっと厳しく教育した方がいいのだろうか」など、悩みは尽きないことと思います。

ADHDは育て方やしつけが原因となって発症するものではありませんが、接し方が症状に影響を及ぼすことは多々あります。周囲の人がきちんとADHDの症状を理解し、適切な方法で接することができれば、症状も徐々に落ち着いていくと言われています。

長所を見つけて褒める

つい短所ばかりに目が行って叱りがちですが、どんなことでもいいので良いところを見つけ、褒めてあげることが大切です。何かができたときには当たり前と思わず、「頑張ったね!」としっかり褒めてあげましょう。もし間違ったことをしてしまっても、体罰や強い言葉による叱責は避けるべきです。

集中力を高める環境づくり

テレビ・おもちゃ・本などが部屋の中に散乱していると、ADHDの子どもは気が散ってしまいがちです。物はできるだけ見えないところにしまうなど、刺激の少ない環境づくりを心がけましょう。学習机などは部屋の角に置くと、余計なものが目に入りにくくなります。

指示を伝えやすくする

ADHDの子どもは言葉での指示が分かりにくいことがあるため、やることを絵や図に書くなどの工夫をしてみましょう。視覚的情報にすると理解しやすくなり、スムーズに受け入れることができるようになります。

診断方法

注意欠如・多動性障害(ADHD)の検査・診断は、精神科や小児精神科などで受けることが可能。ADHDについて詳しい医療機関を知りたい場合は、地域の保健センターや発達障害者支援センターなどに問い合わせるとよいでしょう。

専門医療機関におけるADHDの診断は、アメリカ精神医学協会が定めたDSM-Vという診断基準に基づいています。診断は家族からの情報提供・心理発達検査・知能検査・行動評価テスト・医師による行動の観察など、さまざまなことを考慮。場合によっては、脳波測定・MRI検査なども行われることがあるようです。

検査したからといってすぐに診断されるワケではなく、すべてのデータを総合的に評価し、時間をかけて診断を行います。ADHDは他の発達障害などとの区別が難しいため、1回の受診・検査だけではなかなか判断しにくいのです。検査を受ける子どもの心理状態などもあるため、慌てず忍耐強く見守るようにしましょう。

治療法

ADHDの症状は、根本的に治療できるものではありません。治療の目的は、子どもが自分のADHDの症状を理解し、よりよい生活を送れるようサポートをすることです。

行動療法

保護者が子どもとの接し方を学ぶペアレントトレーニングや、子ども本人が適切な行動を学ぶソーシャルスキルトレーニングなどがあります。ADHDの特徴に合わせながら接し方・行動の仕方を学ぶことで、人付き合いや集団生活をスムーズに送れるようになります。

薬物療法

薬物療法では、薬によってADHDに見られる不注意・多動・衝動性を軽減していくのが目的です。子どものADHD薬物療法で処方される薬は、主に中枢神経刺激薬であるメチルフェニデート(コンサータ)・アトモキセチン(ストラテラ)。これらは、脳の神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリンの不足を改善する作用があります。

栄養療法

栄養療法では、ADHDに関連性があると考えられている砂糖・小麦・乳製品・人工甘味料・食品添加物の摂取を控え、バランスの良い食事生活を目指します。また、ADHDは脳内の神経伝達物質の不足や機能不全が原因と考えられているため、それらの機能をスムーズにする栄養素を取り入れることも推奨しています。

  • 糖鎖:すべての細胞の表面に存在するもので脳の情報伝達をスムーズにする働きがあり、物事を理解する力を向上させる効果があります。
  • レシチン:脳の情報伝達に必要なアセチルコリンの材料であり、記憶力や学習能力といった機能を高める成分として重要な役割を担っています。
  • オメガ3(DHA・EPA):オメガ3を摂取すると脳機能が活性化され、情報伝達がスムーズになるという効果があります。ADHDの子どもは必須脂肪酸が不足している傾向にあるため、積極的な摂取が望まれます。

【免責事項】当サイトの掲載情報は2016年4月時点のものです。詳しいサプリメント情報を知りたい方は、各HPにてご確認ください。

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